『今日、生まれてはじめて人間を見ました。』
『カエルのおじさん!あそこに人間がいる!』
カエル『ああ、あの人は大丈夫だよ、お嬢 』
カエル『「蛙政宗」の新酒だよ。』
お嬢『カエルのおじさん、大丈夫なの?』
『お嬢、これが世界というやつだよ。』
『もう帰るわね。』
『ただいま。』
番頭『お帰りなさい、お嬢さん。』
母『…あらどうしたんだい、着物が汚れてるじゃない。』
お嬢『友達と遊んでたら汚れちゃったの。』
母『それにしてもなんで白い着物なんかで…』
お嬢『絵の具の節約なんだって言ってたわ。』
母『誰が?』
お嬢『絵描きの人』
母『何だいそれ…』
その頃、小さなお嬢の家では…
母『今日は誰と遊んだの?』
お嬢『カエルのおじさんたちと、あと…人間の…女の人と遊んだ。』
母『人間だって?! ち、ちょっとお父さん!こっちへ来てちょうだい!早く、大変なの!』
《終わり》
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