妹『月代(つきよ)姉さまには まだまだかなわないわ。』
姉『奈月(なつき)も前よりはずいぶんと強くなったわよ。まだ月へは帰らないんでしょ?少しゆっくりしていきなさい。』
姉(月代:つきよ)『お父様やお母様は元気?月の様子に変わりはない?』
妹(奈月:なつき)『みんな元気、月は何も変わらないわ。でも … 私が今回江戸に来た理由というのが、実はウサラを探すためなの。それでもう何日も街を探したけどまだ見つかっていないのよ。』
姉『ウサラって奈月が飼ってたあのウサラのこと?』
妹『そう、そのウサラよ。家にいないと思ったら、知らない間に定期船に紛れ込んで地球にやってきたらしくて、この江戸で降りたのを船の客が見たというから…それで。』
姉『それはまずいわね。』
妹『でしょ?』
姉『ところで奈月、どうしてあんな黒いマントを着てウサラを探していたの? あれじゃ江戸の人たちが怖がるんじゃない?(もともと目つきが悪い方だし… )』
妹『お父様がね、江戸は危険なところだから地味な格好にしてそれで必ず武器を持ち歩きなさいって… 』
姉『そうなの? でもね… 』
月の王国の侍女『奈月さま!大変でございます、街にウサラが!』
奈月『ウサラ、私がわからないの?』
奈月『街が壊されなくてよかったわ。じゃあまた来るね。』
月代『うん。あ、これお土産。』
奈月『ありがとう。姉さまは本当に…もう月には帰らないの?』
月代『うん、ここが気に入ったから…みんなのこと、よろしくね。』
奈月『おみやげって何かしら?』
《終わり》
ほかの物語は一覧に戻ってからご覧ください。