九尾の才右衛門登場!KITSUNE

九尾の才右衛門登場!KITSUNE
おばば(江戸一番の霊能者)『おやどうしたんだい?なんだか顔色が悪いね。』

町娘の幽霊『はい、昨日からなんだか気も体も重くて… 』

おばば『おや、体が重いわりにはよく浮いていられるねえ。でもまあしょうがないさ、この季節じゃまだ幽霊の需要も少ないから、みんな気が滅入って具合が悪くなるのもわかるよ。知り合いの町医者のところにでも行ってみるかい?幽霊でも妖怪でもなんでも診てくれる良い医者だから。』

九尾の才右衛門登場!KITSUNE

九尾の才右衛門登場!KITSUNE

九尾の才右衛門登場!KITSUNE
おばば『こんにちは才右衛門さん。』

才右衛門『これはおばばさま、今日はどうしました?腰ですか?』

九尾の才右衛門登場!KITSUNE
おばば『今日はあたしじゃないんだ。この娘なんだけどね、体も気も重いって言うからちょっと見てくれないかね…』

九尾の才右衛門登場!KITSUNE
才右衛門『そうですか、それじゃあまず顔の色具合から見てみましょう。ちよっとあごを上げてみてください。』

才右衛門『おお、これは驚いた。』

幽霊『あの…なにか?』

才右衛門『これは失敬、いやこんなに美しい女の人はあまり見たことがないなと思いまして。』

九尾の才右衛門登場!KITSUNE

九尾の才右衛門登場!KITSUNE
才右衛門『あれ、消えた… 患者さんどこへ行ったんでしょう。』

おばば『うん、成仏したみたいだねえ… あの娘の心の内はもう分からないけど、この世で未練を思う必要がなくなったんだ… ともあれさすが才右衛門さんやっぱり名医だ、はっははは!』

才右衛門『いやそんな。』

九尾の才右衛門登場!KITSUNE
おこん『あんた、調子に乗ってんじゃないよ。』

久しぶりに短い物語を描きました。この町医者はおこんの年下の婿で名を(九尾の)才右衛門といい、稲荷神社の境内で診療所を開いています。これまで狐の姿などで何回か出てきていますが、まだ人間に変身した顔は描いたことがありませんでした。

久しぶりに一気に何枚も描いて、結局三枚も描き直した😆急いで描くのはダメだね。