おこん『あらあんた、往診なんて珍しいわね。』
才右衛門『ああ、座敷童が熱を出したらしい。』
おこん『それは大変、行ってらっしゃい。』
才右衛門『この薬で心の臓も落ち着くでしょう。薬がなくなる前にはまた誰か使いをよこしてください。』
犬神一家の親分『私を診たなんてことが奥さんに知れたら大変なのに、悪いね先生。』
才右衛門『いいえ、私は医者であなたは患者、それだけのことです。何も気にしないでください犬神さん。』
犬神『でも帰ったら匂いでバレないものかな?』
才右衛門『大丈夫ですよ、帰りに座敷童のところに寄って帰りますから。私、あの子とはとても仲がいいんです。ハハハ… 』
遠い昔、おこんの家と犬神一家は縄張り争いのため戦った歴史があり、今でもあまり関係が良くないのです。
才右衛門、思っていたより活躍してくれていますが、あともう一話くらいで一旦終わりにしましょう。